愛着スタイルが回避型かも？不安が原因の蛙化現象

大好きな人がいざ自分のことも好きになってくれて、いざ付き合えるとなったときに「やっぱり無理～！」となってしまう蛙化現象。

多くの人が、初めての恋愛や、今まで付き合ったことがなかったタイプの人との恋では、経験することではないでしょうか。

蛙化現象の説明としてよく見られる「急に生理的に無理になる」というほどの感覚とは違っても、やっぱり付き合うことは出来ないと感じてしまうことは、困ったことによくあるものです。

どうしてせっかく望みが叶ったのに手放したくなってしまうのでしょうか？

付き合い始めると、特別相手の欠点だけというわけではなく、二人の相性や細かいやりとりの不和が気になってきてしまうような感覚の場合、あなたは回避型の愛着スタイルが原因の蛙化現象かもしれません。

不安の強い回避型の蛙化現象を代表例として解説していきますが、下記の性質を持つ人にも共通した特徴です。

• 真面目過ぎ、責任感強すぎ
• 人間関係の問題解決が苦手
• 過去の失敗を引きずっている
• 単に未熟で恋愛経験不足

この人とは上手くいかない！は不安から来る思いこみかも！？

相手への気持ちが急に冷めたのではなく、「相手が好き」という見方から、「相手と自分が上手く行くか？」という見方に変わることで、色々と欠点が見えてきたり、楽しめなくなったりしていませんか？

自分が相手のことが好きなだけなら関係がなかった様々な要素が、浮彫になって突然目の前に迫ってきたような感覚になっているのでは。付き合えるとは思っていなかったうちは心配でもなんでもなかったことが、実際に付き合えるとなって問題になれば、検証しなければならなくなります。

そんなとき、あなたの場合は可能性に懸けることよりも、上手くいかなかった場合に自分が傷つく可能性の方が一大事で、なんとしてもそれを避けたくなるため、相手を好きじゃなくなることで自分の心を守ろうとしているのかも。

その人と上手くいくはずがないと思ってしまうことを、相手の欠点のせいと片付けず、自分の不安の強さのせいかもしれないと、見直してみる必要がありそうです。

自己防衛としての警戒心はある程度は必要な自然なこと。度を超していないか？

相手のことが好きだからといって、相手の欠点や二人の相性の問題点に目を向けずに、飛び込んでしまうのは確かに傷つく危険性が高いですよね。いざ付き合うとなったときに、相手のことを批判的な目で見てしまうのは、ある程度は仕方のないことで、必要なプロセスです。

ただ、ときに人は傷つくことを恐れるあまり、過剰で見当違いな、役に立たない自己防衛をし始めることがあります。

おそらく、付き合い始めて一気に冷めてしまうあなたが無意識にしているのは、最悪の事態に備えるという防衛方法です。

いろいろと相手の欠点が目についたり、自分と相手はやっぱり合わなかったと感じたりする感情は、最悪の事態の可能性を探しているために目に付き、さらに悪い想像を重ねてしまった結果です。「相手と自分が上手くいかない可能性」を事前に察知し、そうなった場合でも自分の心が辛い思いをしないための対策を考えてしまいます。

このとき、上手くいく可能性に懸けられるくらい心が安定している人、またはそこまでその人に対する思い入れが強くない場合では大丈夫なのですが、好きな人と上手く行かず別れる可能性が十分にあると考えてしまうと、それでも大丈夫だとはなかなか思えない人も多いでしょう。

どうせ上手くいかないなら、初めから付き合わない方が、深入りしない方が、好きではなくなった方が安全だと無意識に判断してしまうのです。

自分が好きな人と幸せになる未来に賭けることをせず、好きな人と上手くいかなくて不幸になる未来に備えるだけになっていませんか？

本当に自分を守りたいなら、相手と上手く行かなくなり始めたときに備えるだけで十分なのです。あなたの場合は、どうせ上手くいかないという思い込みが強いため、最初から無茶な防衛本能が働いてしまっているのではないでしょうか。

付き合い初めは不安が多くて当然な時期。このとき、確信的な「上手くいかない感覚」ではなく、「どうせ上手くいかない」「上手くいかなかったらどうしよう」という不安に惑わされていないか、自分の自己防衛機構を見張る必要があります。

「どうせ上手くいかない」は本当に現実的な考え？現実が上手くいけば変わるのか？

恋愛では誰もが個人差を感じたことがある部分だと思いますが、恋愛に対する前向きさには個人差があります。

誰かを好きになったとき「この人と自分は絶対に将来結婚する！そのために行動するのみ！」と真っすぐ努力が出来る人もいれば、「好きと言うだけでも迷惑ではないか」「自分なんかが相手から相手にされるわけがない」と考えてばかりで行動できない人もいて、大きな差がありますよね。

この個人差について、今一度周囲のことや自分のことをよく見て、分析してみてください。

「きっと上手く行く！」と頑張れる人は、実際に上手く行く可能性の高い、魅力的で相性も良さそうな恋をしている人でしょうか？ 不安ばかりで行動できない人は、実際に絶対にうまくいくはずがない恋愛をしているでしょうか？

よくよく考えてみると、単なる個人の性格が大きいという部分に気が付くと思います。

他人については、「ポジティブで良い性格してるなぁ」とか逆に「ネガティブでもったいないな」などと客観視も出来ますが、自分に関してとなると、人は客観的な判断が出来なくなります。

大抵の人は、自分の恋愛に関してだけは、「実際に根拠があってネガティブにしかなれないのだ」と思い込んでしまうのです。

その思い込みをしていると、例え相手がそれを覆して実際にあなたに好意を伝えてくれても、自分のその信念を曲げることが出来ません。

もともと、「どうせ上手くいかない」というあなたのその信念は、事実に基づいた推測ではなく、半分固定化された性格であり、思考スタイルなのです。それを、目の前の事実によって突然変えることは、とても難しいでしょう。

そのため、信念が間違っていたと認めることが出来ないと、「相手が間違っていた」「相性が悪い」などという現実を作り出すことによって、辻褄合わせをしてしまうことがあります。

見極める期間と思って自分の心を守りながら付き合ってみよう

根本的な解決法ではないですが、回避型の人でも恋愛で蛙化現象を起こさないようにすることは可能です。

実際には、蛙化現象を起こさないのではなく、蛙化現象に影響されないようにすることです。

付き合い初めに不安になるのは当然、嫌な所が目につくのも当然、という認識を持って改めて考えてみてください。

問題なのは、不安だからこの関係から逃げ出そうという行動の選択であって、不安になること自体は問題ではありません。

不安になるくらいなら付き合わない方がいいと思っていませんか？ 不安になるような関係を続けて、あとでやっぱり上手く行かなかったらバカを見ると考えていませんか？

人は、誰かと付き合い始めてこれから深く知り合おうというときは、誰しも不安なのです。知らなかった面も理解できない面も見えてきて、最初はそのすべてが正体不明で怖く感じます。少しでも嫌な面が見えると、もっと見えてくるのでは？と考えて大げさに捉えてしまいます。

付き合い初めから満開幸せに見える誰かは、あなたと違って用心していない、あけっぴろで向こうみずな性格なだけです。あなたのように慎重な人は、誰でも不安を感じています。

その上で、もう一度自分の心に聞いてみましょう。

当たり前の不安や嫌悪感だったとしても、あなたはそんな感情を絶対的に回避するために逃げだしたいですか？ その人のために、そんな不安な期間を過ごすことはしたくないと思いますか？

もし、その人のことをあなたが本気で好きになれる可能性が少しでもあるなら、試してみてください。

お試し期間の間、あなたはその人のことが好きでなくても構いません。相手のために、好きとは言いながら、不安と違和感ばかり感じていたって、最初はいいでしょう。

自分のなかでは、「この人とはどうせ上手くいかない」と思っていたっていいのです。不安が大きいなら、「どうせ上手くいかないけど今だけ付き合っている」と考えてみてもいいかもしれません。

そんなお試し期間すら時間の無駄だな、この人のために試してみることすら嫌だな、と思ったときが、あなたの本当の別れ時ではないでしょうか。

自分の想定と違ったからといって、すぐに逃げ出さなければそれでいいのです。

「上手くいく」「成就する」ことを求めると本質からズレる

恋愛という問題において、好きなのに告白出来ない人、付き合っているのに本音を言えない人、いつまでも結婚できない人……多くの「〇〇できない問題」に共通した原因として多く見られる性格の、思考の特徴があります。

それは、責任感と安心したい気持ちが強く、上手くいくための行動をしっかりこなしたい性質です。

一言でいえば、真面目な人ですね。

勉強や仕事であれば、自分が達成できる範囲での目標を定め、それに向かって着実な努力をする能力は非常に役に立ちますが、こと恋愛においてはそうもいきません。

恋愛というのはそもそも、積み上げていく努力の結果でも、計画して実行するものでもないからです。

不確定要素が非常に多く、いくらでも展開が変わって行くもので、一つ転べばすべてが変わってしまいます。

そもそも、真面目な性質を活かして頑張れるようなものでもないのに、「上手くいくかどうか？」という普段のスタイルのままで努力をしていては、見当違いもいいところ、というわけです。

ですが、おそらくあなたの真面目な性質は恋愛において大いに役には立つと思います。相手から尊敬される素質になりますし、相手とちゃんと向き合い、上手く問題を解決するためのヒントを得られる器用さにはなるでしょう。

ただ、それが恋愛関係の核になってはいけません。どこかに歪みが生じてしまいます。上手くいくにこだわることをやめないと、本質からそれてしまうので、違和感を感じたどちらかが、蛙化現象を体験することになるでしょう。

恋愛は、求めるものです。楽しむものです。大切にしたいと思う気持ちです。その気持ちを態度に出すことで、伝わってお互いが幸せを感じるものです。

確かに、それらの恋愛の素質が二人の間で合わさった結果、それが上手くいくかどうか？という結果として判断することは出来ますが、本当はそれすらあやふやで結果として見るべきものでもありません。

どんなカップルなら上手く行っていると定義しますか？何をもって、その恋愛は成功ですか？

お互いがお互いのことを好きである。一緒にいると幸せである。この先もずっと一緒にいたいと思う。それが恋愛において上手く行っているという状態ではないでしょうか。

これもまた、すべて感情の問題なのです。

感情はあなたと相手が感じるものであって、上手くこなした結果とは違います。

真面目な人、責任感が強い人、上手く行くことだけ頑張りたい人は、本当は客観的には図れないものを必死で客観的に量ろうとしてしまいがちです。

相手が笑いかけてくれたからチャンスがあるか？ ちゃんと記念日を祝い日頃から頑張って連絡しているから自分はいい恋人か？ 相手から文句を言われていないから自分は上手くやれているか？ 自分は財力があるから良い結婚相手になれるか？

本当は相手との間で自然に感じるべきものを、相手から伝えてもらって初めて伝わるものを、予想しようとし。行動や条件に関わらずお互いの気持ちで決まるものを、なんとかして可能性を上げようとして努力してしまいがちなのです。

それが相手から認められることも多々あるので、余計に頑張ってしまうあなたの気持ちもわかります。

でもその反面、相手から客観的に伝わってくるものから、相手の本質を、二人の相性を、将来性を測ろうとしてしまうので、蛙化現象に陥りやすくなります。

あなたはちゃんと感情を相手と通わせましたか？ 一緒に楽しむためにその場にいましたか？相手の笑顔を見てどんな気持ちになりましたか？ 相手に自分の気持ちを伝える言葉が言えましたか？

上手くいくために頑張るばかりではなかったですか？ 相手と上手くいくか考えて分析してばかりではいませんでしたか？

相手に素直に自分の気持ちを伝え、相手の気持ちを素直に受け取ることは、出来ていましたか？

今一度、恋愛で何をするべきか、見直してみてください。

さまざまな回避したい怖い思いは、恋愛には沢山あります。

ですが、恋愛をしない限り、恋愛はできないのです。上手くやって痛みを避けようとしている限り、本当の恋愛はできません。

確かに、恋愛上手というのは存在しますし、恋愛においてノウハウや知識が役に立つことは多々あります。

ただ、すべては核心の素直な感情に基づく行動の上で、役に立ってくるものなのです。

上手くいくか？ではなくどうしたいか？に焦点を置くことが大切

恋にも色々な性質がありますが、あなたの感じた「好き」が、ただその人を尊いと感じるだけでいいならそれでいいのです。

でも、その人と仲良くしたい、その人に触れたい、その人と一緒にいたいと思うのであれば、それを叶えるために行動するのが恋愛です。

そのなかで、上手くいくかどうかを分析して計算しようとし、思い通りに運ぼうとすることは、恋愛においてはズルになってしまいます。

相手の好みを事前に把握し、その通りにキャラを作り上げ、場面やタイミングも演出して相手から好意を受け取ることは出来ますし、古くから行われていたことでしょう。

あなたがその人を本気で好きなら、それが上手くいったら嬉しいでしょうか？

いやいや、ただのハニートラップではないですか。あなたが好かれたのではなく、罠にハマっただけですね。

結局のところ、恋愛で本当に幸せになりたいなら、ありのままの自分を晒し、受け入れてもらえるかどうか試す以外にないのです。

それでも、好きな人の前では取り繕ったり、頑張ったりしてしまうのが人の性。

そんな複雑なあなたの心と同じように、相手も複雑なものでしょう。

頑張ってるところ、素を曝け出してくれたところ、ちょっと歪んでるところ、全部見てこそ、相手のことがわかるというもの。

あなたが相手の姿を全部知りたいと思うなら、行動すればいいだけです。

あなたは何を求めていますか？その質問だけが重要で、真実だと私は思います。