離人症になると何が起こる?離人感や現実喪失感の様々な症状を徹底解説!

離人症ではどんな症状が起こるのでしょうか?

自分自身の身体や精神から離れてしまったように感じることを離人感といいます。

自分自身の生活を外から観察しているかのように感じることも。

現実の鮮明さや臨場感が失われて現実だとは思えなくなったり、現実や周囲の世界から切り離されて隔たれてしまったかのように感じたりすることを、現実感の消失(喪失)といいます。

そのように説明されても、実際になにが起きているのかわかりにくい離人症の症状。

よくある症状を例に詳しく解説します。

目次

  1. 離人症の感覚の症状―知覚や経験が変わる
    1. 薄くなる・ぼんやりとする
    2. 自分から離れて傍観する・自分のものだと思えない
    3. 自分と世界の間に膜や距離があるように感じる
    4. 離人症の感情の症状―感情がなくなるのに辛い?
      1. 自分の感情を眺めている―一歩引いた所にいるもう一人の自分
      2. 自分の感情がなくなる―ここにいるのは自分ではなく抜け殻
      3. 自分の中に閉じこもる―外の出来事や人に対して何も感じない
      4. 離人症の症状はすべて「自分の中」で起こる

離人症の感覚の症状―知覚や経験が変わる

離人症による知覚、身体感覚、記憶などの異変には個人差がありますし、そのときによって出方が違うという人もいます。

ですが、多くの人に大体共通した感覚の特徴があるようです。

薄くなる・ぼんやりとする

視界や身体感覚に霧がかかっているような気がする、視界がぼやける、五感が鈍くなる、夢の中のようにふわふわとして感じる、色や鮮やかさがなくなる、すべてが無機質な人工物のように感じる、時間が経った感じがしない……


表現方法は様々ですが、今までよりも臨場感がなくなることが多いようです。


記憶がぼんやりしたり、時間の感覚が変わったりすることで、脳に問題があるのではないかと思う人もいます。

生きている感覚がなくなることで確かめたい気持ちから自傷行為に及んだり、逆に自傷行為中のみ痛みを感じないなどの状態として併発することもあります。

お腹が空かない、疲れを感じない、痛みを無視しがちな状態になって身体の健康に害を及ぼすことも。

また、人の話が頭に入ってこない、注意を向けられない、集中力や創造性がなくなる、うっかり忘れや間違いを繰り返すなどの症状によって、
日常生活に支障をきたす場合も多いです。

このような状態のときは、うつ状態になっていないかどうかにも注意が必要です。

自分から離れて傍観する・自分のものだと思えない

周囲の様子や身体感覚がいつも通りにあっても、それを自分が感じているという感覚が薄くなる人もいます。

自分の後ろや離れたところから傍観しているように感じたり、目の前で起こっていることが映像を見ているだけのように感じたりします。

自分の身体を自分が動かしているという感覚が薄くなり、自分の身体を動かすのに操り人形を動かしているように感じたりします。

自分自身が感じている五感や知覚が弱くなったり、自分のことなのに遠くに感じたり、実感になるまでの時間差を感じたりすることも。

今までは感情と共に思い出せた記憶が自分のものではない「聞いた話」のように感じられることや、自分が経験したことだという感覚がなくなることもあります。

症状の出方はさまざまですが、自分の人生を生きている感覚がしないことが苦痛になります。


自分では現実をコントロールすることができずただ経験を見ているだけのように感じる人や、自分自身のことを「生きる屍」と表現する人もいます。

このような症状が出たときは、支配的な人や威圧的な人が周囲にいないかどうか、価値観や環境が大きく変わることがなかったか、自己肯定感が下がっていないかどうかも考えてみましょう。

自分と世界の間に膜や距離があるように感じる

自分の中に閉じこもってしまっているような感覚を主とした症状です。

自分の感覚と外の世界が隔たれていたり、普段よりも距離があるように感じられます。

外の世界に対する感覚が自分の中に入ってこない、内側から眺めることしかできないと訴える人も居ます。

周囲の出来事や人に触れられない、本当には関わることができないかのような感覚になることも。

すべてが同じ「背景」のように感じるので、何かに注意を向けることや集中することが難しくなったりします。

外の世界で起こることが無意味に感じて、気力や社交性が低下しやすいです。

自分の苦しみを表すことができずうつ状態になったり、外界に対して不安を抱いて神経過敏になったりしやすいので、注意しましょう。

離人症の感情の症状―感情がなくなるのに辛い?

離人症では「なにも感じられなくなって辛い」「現実だと思えなくてすべてがどうでもいいので辛い」というような、本人が感じる辛さが問題になります。

感じられないのに辛いの?辛いってことはどうでもよくはないのでは?と混乱してしまいますよね。

感情自体が消え去っているのではなく、
自分として感じることに障害が生じていたり、特定のことに対する感情を感じられないようになっているような状態になるのです。

自分の感情を眺めている―一歩引いた所にいるもう一人の自分

感情は今までのようにあるのですが、それを自分自身は外側から眺めているかのように感じる症状です。

現実には自分が泣いたり笑ったりしているのに、「泣いているなぁ」「笑っているなぁ」と第三者のように冷静に感じます。

感情がある自分と傍観者である自分の二人に分かれてしまったように感じることも。

自分が感じたら辛すぎる感情から、自分自身を切り離して感じないようになっているのかもしれません。

自分の感情がなくなる―ここにいるのは自分ではなく抜け殻

感情がなくなったように感じられ、そのことが辛いので「辛さや虚しさしか感じられなくなった」「これは本当に自分?」と悩んでしまうような状態です。

離人感があると、すべてが他人のように感じられるので感情が薄くなったり、今までの自分の価値観や感情を失ってしまったりします。

特に恋愛感情や、仕事や趣味への情熱、好きだったことの楽しさが消えてしまうと苦痛が大きいです。

本当の自分自身は遠くにいると感じる人や、心の奥底に閉じこもってしまって出てこないように感じる人もいます。

感情がないことが辛いと感じているのは、人格や人生を持っていない抜け殻のような存在なのでしょうか。

辛い現実を自分自身では感じないように、本心の部分が逃げてしまっているのかもしれません。

自分の中に閉じこもる―外の出来事や人に対して何も感じない

自分の中では色々と感じているのですが、外で起こることや対人関係において何も感じなくなってしまう状態です。

自分の中で考えたことにしか何も思わないという人もいれば、外で起こったことを自分の中で思い返して初めて感情を感じるという人もいます。

自分の感情を外に出すことができずにため込んでしまったり、現実で起こることによって気分を変えることが出来なくなったりして、自分の世界に閉じこもってしまいます。

誰かと同じ場所にいても隔たれていると感じたり、決して共感できないと感じたりして、孤独に苦しむ人も多いです。

現実のなかで起こることが耐えられないので、バリアを張って閉じこもり自分を守っているのかもしれません。

離人症の症状はすべて「自分の中」で起こる

離人症の厄介なところは、外から見ても症状がほとんど見受けられないことです。

表情がなくなる、集中力や思考力が落ちる、情熱ややる気がなくなるなどの比較的わかりやすい変化が起こることもありますが、表面上ではまったく変化がないこともあります。

日常生活や人間関係にもほとんど支障が生じないことも多いため、本人から伝えなければ周囲が気づくことはほとんどないでしょう。


本人だけがただただ違和感や苦痛を感じています。

他人から理解されない苦痛を抱えて、どんどん自分自身を追い詰めてしまいやすいです。

いろいろと試しても症状を少しも緩和させることができず、「一生このままなのではないか?」と思ってしまうこともあります。


自分自身に起きていることを理解して、落ち着いて対処できるようになること、周囲に説明できるようになることが助けになります。

自分の症状について書き出してみたり記録してみるなどして、整理してみるのも良いですね。

自分がおかしくなったのではなく、離人症という症状なのだと理解することが何より大切です。

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