物忘れやうっかり間違いはなぜ起こる?~自分の意志と深層心理のすれ違いかも~

上司が見ているときにうっかりミスが多くなる

大事な用事のときに限って寝坊してしまう

いつもはしない忘れ物や電車の乗り間違いを繰り返しする


日常によくある「こんなときに限って」という状況。

もしかしたら、深層心理が邪魔をしているのかもしれません。

フロイトが語る深層心理と錯誤行為の関係

フロイトという精神科医・学者をご存知ですか?

無意識の世界に目を向け、
治療法であり深層心理学である精神分析を確立した創始者です。


精神分析というと、精神に問題を抱えた人にたいする治療であり、
幼い頃の経験から現在のこころへの影響を探るようなイメージがある方が多いのではないでしょうか。

あまり知られていないことですが、フロイトは神経症などの精神疾患だけではなく、
誰にでもおこりうるごくごく普通の現象を分析しています。

錯誤行為とは

言い違い・書き違い・聞き違い・読み間違いなどのまちがいのこと。

「ど忘れ」といわれるような、人名や言葉を瞬間的に思い出せない現象

うっかりしてしまう紛失や、作業における過失も含まれます。

寝不足のときなどなんらかの生理的な理由によっておこると説明されることも多いうっかり間違い。

ど忘れが多くなると「歳のせい」なんて思ったりする方もいます。

たんに他のことで気が散っていたとか、集中していなかったと思われるような現象と、
すべてがそのように説明できるでしょうか?


いつも通る道の運転や、日常のあいさつなどの決まり文句など、
まったく集中していなくても正確にこなせることがたくさんあります。

なぜよりによってそのときにうっかりしてしまったのか。

ということに、フロイトはその事象に関する深層心理が関わっていると分析しました。

錯誤行為に深層心理がからんでいる場合の例

眠気や体調不良などの生理的な原因、
周囲の文字や音、気が散るような状況などが原因である場合ももちろんあります。

「必ずこれが原因である」といえないのがうっかり間違いなどの錯誤行為なのですが、
一度深層心理が影響している可能性も視野にいれて検証してみてはいかがでしょうか。

抵抗感から逆のことを言ってしまう

「これより議会の開会を宣言します」というはずが「これより議会の閉会を宣言します」と言ってしまった
早く終わってほしいという心理

思っていることと逆のことを言ってしまった経験は誰にでもあることですが、
実は出てきた間違いの言葉こそが本心であるかもしれません。

単なる言い間違いではなくて本心の表れ?

「当たってくだけろ」と励ますはずが「当たってくじけろ」と言ってしまった
本心では応援していない気持ち

たんなる同じような言葉の間違いであるように思える言い間違いも、
心の中の気持ちを巧妙に表してしまった結果かも。

うっかりミスという不可抗力で実行を阻止

病院にいこうとしたら乗り間違えや忘れ物ばかりしてしまう
病院に行くのが怖い、行きたくない気持ち

行かなきゃいけないことはわかっていても、
裏にある行きたくない気持ちが間違いや物忘れに繋がってしまうことがあります。

逆に、自分では行きたいと思っていた旅行や遊びの予定でも、
遊ぶことやお金を使うことに罪悪感を持っていると、トラブルを起こしてしまうことも。

大切に思えないから失くす

携帯を繰り返しなくす
携帯を見たくない、仕事のメールや連絡から逃れたい気持ち

携帯が必要だとは思っているのですが、
本当は疎ましいと感じているためにそのほかの持ち物と比べて注意を払っておらず、
失くしやすくなるような状態です。

直接は関係のない無意識が間接的にからんでくる場合の例

深層心理の行動への関わりは複雑なもので、
一見まったく関係がないように思えるような事柄に関する深層心理がからんでくることがあります。

そうなってくるとますます検証は難しくなりますが、
同じようなことに関するうっかり間違いが多いときは、考えてみる価値があるでしょう。

実は苦手ポイントが隠されていた

友達に出したバースデーカードの送付先住所を間違えてしまった
手紙を送ること、誕生日、友達のどれかにマイナスなイメージや過去のトラウマがある可能性

手紙に関係しているときに間違いが多い、
誕生日を祝おうとするとトラブルが起きる、
などの繰り返す要因があるかどうか考えてみましょう。

その友達にバースデーカードを送りたい気持ちは純粋で、何もマイナスな気持ちがないのですが、
その行為に関わるなにかしらに関するマイナスな深層心理が働いてしまうことがあります。

似ているものと一緒になってしまう

影山さんという名前がどうしても覚えられない、ど忘れする
柿山さんという人に対して嫌な思い出がある

「なんであの人の名前だけ覚えられないんだろう…?」という不可解な経験はありませんか?

その人に対する苦手意識によって覚えにくくなることもありますが、
実はまったく関係のない似た名前の人のせいで脳が思い出すことを拒否しているのかも。

より強いイメージに負けてしまう

アルデンテと言おうとするとアンダンテと言ってしまう
自分の中でアンダンテという音楽用語が強く脳に沁みついているため、似たような別の言葉が覚えられない

記憶術で覚えたいことと何かを結びつける覚え方があります。

一度結びつけられたことは忘れにくく、印象が強くなるものです。

既に自分のなかで強い印象をもつものがあると、無意識にそちらに意識が向いてしまい、
似たようなことを新しい定義で覚えることが難しくなったりします。

素人には難しい無意識の検証をしてみるときのコツ

錯誤行為の原因とおもわれる無意識の世界は無限に広がっており、
正しいと思われる繋がりを特定することは困難です。

とはいえ、わからないからといってすべてをただの不注意で済ますのではなく、
日常で生かす方法もあります。

うっかり間違いの共通点を探す

一つの錯誤行為から深層心理を探ることはむずかしくても、
よくある錯誤行為を比べてみて、同じ要因がないかどうか探してみましょう。

言い間違い、忘れもの、うっかりミス…種類はさまざまでも、
なにかしらの共通点があった場合はそれが原因である可能性があります。

例)試験やテストが関わると増える、後ろめたいときに増える、雨の日に増える…など

錯誤行為があったときの気分や感情を思い出す

睡眠不足だった、頭痛がしていた、焦っていた…などのうっかりが起こりやすい状態は沢山あります。

原因になりそうな状態があったから不注意になったと終わりにするのではなく、
その日の気分やそのときの感情を思い出しましょう。


うっかりを起こした深層心理が、
同時に気分や感情にも影響を与えていたかもしれません。

沈んだ気分や批判的な気分、罪悪感やなんとなく悲しい気持ちなどの感情は、
どんな深層心理が関わっていたのかを知るヒントになります。

決めつけは禁物。深層心理を責めても意味はない

「本当は行きたくなかったみたいだから仕方ない」などと決めつけ、
深層心理のせいにして納得することは簡単です。

ところが、同時に
「自分はきちんとしようと思っていたけど本当はやる気がなかったのか…」
などと落ち込んでしまうこともあるかもしれません。

また、自分以外のだれかの言い間違いや物忘れに対して、
「本心ではこんな風に思っているに違いない」
などと思うこともあるでしょう。


あくまで、錯誤行為はうっかりミスであり、
その裏に深層心理が隠されているとしても、それを責めるのは間違いです。

本人の意志とは違うことをしたという事実は変わりません。

意志の邪魔をした無意識があったように捉えるようにしましょう。


また、自分や身近な人のいくつかの例のみで無意識の関与を判断することはできないので、
決めつけることはせずに参考程度に考えるようにしましょう。

頻繁に錯誤行為を引き起こす困った深層心理に向き合う

うっかりミスや失くしもの、忘れ物などを頻繁に引き起こしているらしい深層心理に気づいたら、直したいですよね。

深層心理からの行動は簡単に直せるものではありませんが、
自覚することは効果があります。


うっかりを引き起こしている深層心理に対して、
意識的に悪影響が出ないような考え方を持つことで防ぐことはできるでしょう。

また、セラピーやカウンセリングなどの技法を使えば、改善することは可能です。

苦手意識やマイナスな感情がつよい場合は、
認知行動療法などが役に立つかもしれません。


まずはうっかりを引き起こしている深層心理と向き合って、
そこから改善していけるような方法を探してみてはいかがでしょうか。

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