アダルトチルドレンの要因タイプ別チェック解説―普通の家庭でも残る傷痕―

家庭のことは外側からはわかりにくく、一見普通の家庭でも子どもの精神面に良くない影響を与えていることはよくあります。

自分の親を批判することではなく、子どもの頃の自分にとって辛いことがあったかどうかが問題です。

客観的な指標で一度見直してみましょう。

生きづらさや辛さの原因、親と自分が抱える問題が見えてくるかもしれません。

もに子相談室 アダルトチルドレンの要因チェック

カテゴリーに分かれていますが重複する部分も多いので、
あくまで傾向としてとらえて問題を理解していきましょう。

子どもだった自分と親(養育者)との関わりにおいて各項目1つでも当てはまったら、
大人になってからも影響があるかもしれません。

※気づきにくい問題のみを挙げているため、
このチェックリストに当てはまらなければ問題がないというわけではありません。

1.愛情や思いやりの足りない親で、対人関係や自分の価値に関する問題がでる子ども

愛情希薄・無関心な親
親が子どもの食事や寝る環境などに興味がなかった。
親が子どもの大切なものを捨てたり、必要なものを用意しなかった
子どもがケガをしたり病気になっても、親は大したことがないと看病をしてくれなかったり、病院に連れていかないことがあった。
子どもが泣いたり癇癪を起こしたりしているときに親が無視することがあった
親から子どもへのスキンシップや褒める、可愛がるようなことが少ない。または親の気分によるなど、ムラがあった。
親が子どもの話を否定したり、無視したり、聞かないことが多かった。

こんな親!

ネグレクトの予備軍ともいえる状態のタイプ。

この状態はあらゆる原因によって起こります。

健康状態や家庭に関わる人間関係に問題があったり、仕事を優先したい気持ちがあったり、精神的に子どもを持つことに対して問題を抱えていたりと、親が子どもを育てることに対して問題を抱えています。

自分の態度に問題があるという自覚がない場合も多いです。

子どもへの影響

親として子どもに必要な世話をしていても、温かみや思いやりに欠けていて、
子どもが愛情を感じられなかったり、安心感を得られない状態になります。

そのまま大人になると、親密な関係を避けたり、逆にしがみついてしまう。

人に助けを求めるのが苦手だったり、
逆に一度頼ると依存してしまう。

といった愛着の問題が出てきます。


また、無条件に愛されてかわいがられた経験がないため、
「生きること」「愛されること」「自分を大切にすること」などに対して「何か優れていないと」などという条件付きの感覚になる人が多いです。

自己肯定感が低くなりやすく、自信が持ちにくくなります。

酷い場合では、「生きていくことが当たり前」という感覚を持てず、
お酒やギャンブルなどの刺激に走ったり、自分を大切に出来なくなる人もいます。


愛情に飢えているので、求められるとどんな相手にでも献身したり、
人に好かれるため、認められるために努力をして必死になったりすることもあります。

原因と解説

親自身には子どもに対する関心が十分にある場合でも、子どもには感じられないという場合があります。

仕事ばかりで子どもと関わる余裕がなかったり、
周囲のサポートが欠けていて余裕がなかったりする場合にも表れる問題です。

この場合、大人になってから親密な関係を築きなおすことで、
子どもの頃の「愛されなかった」という思いを取り払うことができるかもしれません。


あるいは親自身が子どもの頃に愛情不足であり、
親としての愛情深い態度がよくわからない場合や、自分の態度が普通だと考えている場合があります。

その場合は親自身に自覚がないため、
「寂しかった」などと伝えると責められたと感じて関係がこじれてしまう可能性があります。

親との関係による改善を図るのは難しいでしょう。

アダルトチルドレン回復のポイント

親の態度=愛情の大きさではないということを前提に、
わかりやすい愛情以外で「親なりに」自分のためにしてくれたことなどを見つけて大切にするようにしましょう。

また、親との関係の代わりになるような安心できる関係を築ける人がいると、
愛情不足が解消され落ちついていき、自己肯定感も回復していきます。

2.自分を優先してしまう親と、相手を優先してしまうようになる子ども

未熟・自己中心的な親
自分以外の家族や親戚と子どもが仲良くしていると親の機嫌が悪くなる、「甘やかすな」と怒るなど嫉妬しているようなところがあった。
(直接的に)子どものせいではないことで親が子どもに怒ったり、責めたりした
「恩知らず」「裏切られた」など親が子どもをなじったり、育てた恩に対する見返りを求めた。
親の都合が悪いときに子どもが家にいないようにしたり、早い時間から寝室に行かせるなど、子どもを邪魔に思っているようなところがあった。
子どもに家族の分まで(自分の分を手伝う範囲を超える)家事や手伝いをさせた。
親戚や周囲の人がいると親の態度がいつもと違う、子どものことを事実よりも誇張して話すなど見栄を張るところがあった。

こんな親!

親がまだ未熟で子どものことよりも自分のことばかり考えているタイプです。

単に愛情が希薄なタイプよりも子どもが「愛されていない」と実感してしまうような、
心に傷を残しやすい言動や行動が目立ちます。

このタイプの親は、子どもを自分のおもちゃくらいにしか思っていないか、
逆に「もう一人で出来るでしょう」と早く大人になることを求めたりします。

子どもへの影響

子どもは関心を引くため過剰な努力をするようになったり、
顔色をうかがって気を遣うようになったり、
未熟な親と立場が逆転して世話を焼いたりし、

表面上親子関係が良好であることも少なくありません。


親に呆れて子どもも自己中心的になり、自立へ向かえれば問題が出ないこともあります。

しかし未熟な親のことを割り切ることができないと、
いつまで経っても「愛されなかった」というわだかまりが残ります。


親が子どもを邪険にする態度が強い場合では、子どもが自分の存在に対する根本的な罪悪感を抱いてしまうことがあります。

大人になってからも「死にたい」と考えたり
「こんな自分には生きている意味はない」と思ったりする気持ちが出てきやすくなります。

原因と解説

若い親や、妊娠を望んでいなかった親、
生活や夫婦関係に問題がある親などに起こりやすいです。

一見未熟や自己中心的には見えない、献身的なタイプの親にもこの傾向はみられることがあるので注意が必要です。


親が子どもの面倒を見るのは当たり前であるのに、
どこか見返りを要求していたり、自分の都合を押し付けてくることがある親だった場合は
「親の未熟さ・自分勝手さ」がないか考えてみましょう。

このような親は、自分の問題と子どもの問題を分けて考えていない場合が多いので、
いくら上手く機嫌をとって関係が良好になっても、子どもは侵害され傷つき続けます。

アダルトチルドレン回復のヒント

「親の人生は親の人生。自分の人生は自分の人生」
と責任をしっかりわけて考えていくことが大切です。

親にとって都合が悪いことは親の問題であり、子どもの価値とは関係がないものだと納得できると良いですね。

3.完璧主義な親に抑えつけられ、失敗や否定を恐れる子ども。

否定的・完璧主義な親
親が自分の子をよく比較した。子どもの様子よりも、成績や生活態度などのわかりやすい指標を気にした。
子どもの成績や課外活動などでの結果を理由に、親は罰を与えたり、態度を変えたりした。
親が家族や知人の悪口、生活の愚痴を頻繁に子どもに聞かせた。
どんなことに関しても、親が子どもに求める基準があった。
親は子どもを褒めたり認めたりする習慣がなく、否定するか、常に説教ばかりした。
親は「しなければならない」という言い方が多く、立派な人間になるように子どもを育てた。

こんな親!

親にネガティブで批判的な傾向があり、
完璧であることや親の基準に達する良い子であることを押し付けてくるタイプ。

親も周りも、単に「子どものためだ」と思っていることが多いです。

直接子どもに対して向かっていなくても、
親のネガティブな考え方や「しなければならない思考」は子どもの悪影響を及ぼします。

子どもへの影響

常に否定が背後から迫っている状態なので、必死に努力を続けるか、
またはどうせ無理だと諦めやすくなります。

上手くいかないことを極端に恐れるようになって不安が強くなり、
酷い場合では試されることが怖くなって引きこもってしまいます。


親からの否定的な言葉が脳にのこり、自然と自分に対して「自分はダメなんだ」と否定の言葉をかける癖がついてしまうので、
落ち込みやすくうつ状態になりやすくなります。

「出来ていない自分のことは認められない」と自分を追い込み、
自分の基準を満たせなくなると絶望してしまうことも。


逆に責任感が強く頼られるような部分も育つことがありますが、
本人は親のネガティブな考え方を引き継いでいて自信がなかったりします。

どんなに頑張っても親からの満足を得ることは難しく、
大人になっても無自覚なうちに親の基準で考えていたりするので、
自分自身では満足が得られません。


「しなきゃ」思考を植え付けられているせいで、
自分が本当にしたいことや楽しいことがわからなくなってしまう人も多いです。

親の期待に応え続け、休むことが苦手になりうつになってしまうこともあります。

原因と解説

仕事や勉強ができる親に多く、
親の親から代々受け継がれた負の連鎖であることがあります。

または、親自身が自己肯定感が低くて自信がなく、
子どもに対して自分の不安や劣等感を映して解決させようとしている場合もあります。


どちらにしても親から子に対して吐き出される否定は、強い不安が正体であることがほとんどで、
子どものためではありません。

自分が安心したいだけなので、
子どもに対して期待することもすべてが本当に子どもが幸せになる結果とは言えません。


このタイプの親は子どもを自分の成功か失敗かというように見ているため、
子育ての間違いについて指摘されることを何より恐れています。

正面から思いを伝えて関係を正そうとするとこじれる可能性が高いので、やめましょう。

アダルトチルドレン回復のポイント

まずは親の否定や期待はすべて親の不安なのだと納得し、
自分の頭から追い出すこと。

そして親に正面から立ち向かってもさらなる否定を植え付けられる危険があるので、精神的な距離を置くようにしましょう。

4.親の精神状態からくる悪影響を受けた子ども

心配症・精神不安定な親
親が家計や生活、子育てに関する不満・不安・愚痴を子どもに聞かせた。
親の機嫌や状態によって人が変わったように態度が違うことがあった。
「あなたがいないと生きていけない」「あなただけが味方」などと、親が子どもを頼るような発言があった。
親が落ち込んでふさぎ込むことがあった。親が「死にたい」と言ったり「不幸だ」と言ったりした。
子どもを叱るときや、トラブルがあったりしたとき、親は怒鳴ったり泣き出したりするなど非常に感情的になった。
親の言うことや子育ての方針が一貫せず、そのときによって変わった。

こんな親!

親の精神状態が安定しておらず、
子どもを振り回しストレスの刷毛口にするタイプ

親自身がアダルトチルドレンであることが多く、
子離れができなかったり、子どもを自分のものだと思っていたりすることが多いです。

子どもへの影響

親が不安定であることによって子どもは基本的な信頼感を獲得できず、
人を信頼することや頼ることが苦手になります。


あるときには優しく、あるときには取り乱すなどの態度を繰り返されると、
常に人の顔色をうかがう癖がつき、
「いつ嫌われるか」「見捨てられるか」という不信感を抱えやすくなります。

自分とは関係のない理由で親や家庭の状況が突然変わったりするため、
「いいことは続かない」という考えや、世の中全体が不安定で安心できない場所であるという無力感が身についてしまうこともあります。


また親が不幸であるという事実だけでも子どもの心を深く傷つけ、
将来や社会に対する希望を根本的に失ってしまう原因になるのです。


親の世話をやく聞き分けの良い子になることもありますが、
自分の面倒を見てくれる人がいないのでストレスをため込んだり、
深い怒りを抱えることになります。

「面倒を見てくれるはずの人がみてくれなかった」
という怒りを感じて育った場合は最も大人になってから、
心の傷を紛らわすための依存症や自分を大切にしない問題行動が出やすいです。


一見きちんとした親にもこのタイプがいますが、
その場合の子どもも強い心配や不安をぶつけられ続けて、
何事にも臆病になったり、何もかもうまくいかない気がして主体性が損なわれてしまうことがあります。

感情をぶつけられすぎて、麻痺したような状態になり、
無感情で無気力な状態になる場合もあります。

原因と解説

親が孤独でサポート体制がなかったり、
ストレス発散が上手にできなかったりする場合が多いです。

特に母親にとっては、どこかで自分が産んだ子どもを自分の一部だと感じているため、
境界線を引くことができずに精神的な問題をもろにぶつけてしまうことも。


親が心配症であったり精神不安定である原因は様々で、
特に子どもにはとても理解しづらいことです。

よくわからないままに翻弄されることによって余計に回復しづらい傷を抱えてしまうことになります。


大人になってから、当時の状況や親のことを理解してようとしてみることが、役に立つかもしれません。

アダルトチルドレンからの回復のヒント

親も人間だから調子が狂ってしまうことがあり、
それは自分とは関係のないことだと理解することが大切です。

自分で自分自身をいたわり、大切にできるように訓練することも有効です。

5.親の思い通りになるように支配され、自由になれない子ども

支配的・過保護
子どもにとって大切な活動だったとしても、親の関わりのない活動や気に入らない活動だと否定された。
「子どものことが大切」「生きがい」などと子どもや他人に言うことがよくあった。
子どもは日常の小さなことでも親に許可を得ないといけないことが非常に多かった。
子どもの進路や課外活動などを親が勝手に決めた。強く勧めたり、希望に反対することが多かった。
「こんな風になってほしい」「こんな人間にはならないで欲しい」ということをよく言われた。
親は子どものことを過剰に心配し、生活・行動を過度に制限したり、子どもの年齢にそぐわない過度な世話をした。

こんな親!

親の精神状態が安定しておらず、
自分の気分によって子どもを振り回し、ストレスの刷毛口にするタイプ

親自身がアダルトチルドレンであることが多く、
子離れができなかったり、子どもを自分のものだと思っていたりすることが多いです。

子どもへの影響

親に支配される形になると、
思春期になってから強い抵抗を示すことができる子どもと、
恐怖や不安感からそのまま抵抗できない子ども、
抵抗せずに干渉を許してしまう子どもがいます。


抵抗して自立することができれば良いのですが、
その過程で親から離れるために非行に走る子どももいます。

さらに親に自立を阻まれることによって子どもは、
「親を見捨てた」という罪悪感が植え付けられてしまいます。

親を見捨てる罪悪感はどんなに自分が納得した結果でも、
なかなか消せるものではありません。


自立に対する親の抵抗から抜けられない場合は、
いつまで経っても親が主導権をにぎった状態で、子どもは主体性を獲得することができません。

親への怒りや不満があっても表現できないことも多く、
支配されることによるストレスはため込まれていきます。

自分では何もできない、変えられないという無力感や、
自分で行動することに対する不安を持っている場合も多いです。


逆に親に甘え切り、干渉を許し欲しいものを要求したりするケースもありますが、
親は一生子どもの面倒を見ることは出来ないため、
最終的に子どもは放り出され見捨てられることになります。


支配する親は子どもの自分でできるという「自己効力感」や挑戦できる力を奪ってしまうため、
臆病で自信がない消極的な子になってしまうことが多いです。

また自分で自分の人生を選んでいないと感じ、
無気力になったり人生に意味を見出せずにうつ状態になったりします。

原因と説明

親自身に劣等感やアイデンティティーの不安定さがあり、
子どもの役に立つことで自分を保とうとしている場合が多いです。

自分ひとりでは自分に価値があると感じられないため、
なんとしても子どもにとって必要な存在であろうとします。

それをあたかも自分が正しいと主張する形で、子どもが抵抗出来ないような立場から支配するため、
子どもに対するダメージは大きくなります。


このタイプの親だと子どもに抵抗感が生じやすいので、
大人になって家から出られるようになると自然に脱することもありますが、
子どもの優しい気質や親のやり方によってはいつまでも支配が続いてしまうことがあります。


親の不安感の程度によっては、子どもがうまく親に対して些細なことで頼るようにし、
「役に立っているよ」と納得させながら、
自分の人生は自分で選んでいくというやり方ができる場合があります。

アダルトチルドレンからの回復のヒント

小さなことから自分で決める、自分で解決していく事柄を増やしていくことで段々と主体性を回復できるでしょう。

自分の権利は自分で守ることが必要です。

自分の人生を自分で選択して満足していれば、親に対する罪悪感もなくなるかもしれません。

親への感謝や良くしてもらったこととは別に考える

今回のコラムでは親に対する批判的な目線や意見が多くなっていますが、親との関係において傷ついた心を癒すためのプロセスの一つであり、

親を憎んだり嫌うことを目的とするのではありません。

自分が受けた傷を認めることで自分の問題に向き合い、
親子関係に折り合いをつけるための過程です。


わだかまりがあった親子関係の中から問題を切り離して一度向き合い、
許すことができたとき初めて、
親から良くしてもらったことを素直に嬉しく思い出すことができたり、感謝することができます。

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