アダルトチルドレンからの回復①―経験と気持ちを認め、自分を癒す過程―

目次

  1. ステップ1 自分の家族や育った環境の欠点を認める
    1. 辛かったことや傷ついた経験を認めるワークの取り組み方
  2. ステップ2 親の代わりに自分で自分のためにする習慣
    1. 子どもの頃に必要だったものを自分で埋めるワークの取り組み方
  3. まずは自分を大切にし、思いやりを持つことから

アダルトチルドレンといっても、経験したことや親子関係は様々であり、一つの疾患や症状のように回復の方法を見出すことはできません。

親との関係の修復によって回復する人、
自分で癒しの過程を辿る人、
パートナーや身近な人との関係で癒されていく人、
仕事や趣味でバランスをとっていく…などなど。

薬や努力で回復できるものではなく、回復の過程は様々です。


自分にとっての最適な方法を見つけることも簡単ではありませんが、
自分でできることから始めていくことはできるでしょう。

なるべくあらゆるアダルトチルドレンに有効な方法を、ステップにして紹介していきます。

自分に当てはまると思うものに取り組み、自分に合わせてアレンジしながら、
自分なりの回復の道を見つけてみてください。

ステップ1 自分の家族や育った環境の欠点を認める

親を否定するようで、人のせいにするようで心苦しい気持ちがある方も、
いまいち親や育った環境のなにがいけなかったのかわからない方も。

一度子どもの頃に戻ったつもりで、
純粋にどのように感じたかを軸にして見つめなおしてみましょう。


大人になるにつれて、
「もっと酷い家庭でも普通に育っている人もいるから」と引け目に感じたり、
「親だってあのときは事情があって大変だったから」と理解する気持ちがでてきたりします。

親の社会的な地位や評価が高いことによって否定しづらくなったり、
自分が勘違いしていたと感じたりすることも。


しかし、心の状態や人生に向き合う上で問題となって出てくるのは
「子どもの頃の自分がどう感じたか」なのです。

そのときの自分にとっては、大人たちの事情は関係ありません。

大人になってどんなに物分かりがよくなっても、
親の立場やきもちを理解できるようになっても、
子どもの頃に受けた心の傷や違和感はそのまま残ってしまいます。


アダルトチルドレンから回復するためには、一度子どもの頃の自分の心で、自分の育った環境について受け止めることが必要なのです。


親のせいにすることや、親を非難するためのことではありません。

子どもの頃の自分の身に起こったことをそのまま受け止めてみましょう。

  • こわかった
  • つらかった
  • 寂しかった
  • 酷い
  • 窮屈だった
  • おかしいと思った
  • 認めてほしかった

そのことに関する解釈は後回しにして、その時に感じた気持ちはそのまま吐き出してみてください。

先に解釈を始めてしまうと、大人になった物分かりのいい自分が邪魔をしてしまって、
子どもの頃の感情が置き去りになってしまいます。


非難したければいくらでもしても良いです。

そのときは、まだ子どもだったのですから、親に対する感謝や遠慮は一旦忘れてかまいません。


逆に、親に対して否定的な感情がある場合でも、
子どもの頃の自分がどう感じたかを思い出して改めて向き合うことは、大切なプロセスです。


「両親や育った環境のせいでこうなった」
「うちはおかしかったから関わりたくないし受け入れたくない」
「別に今の自分にとっては関係がない」

などと漠然と嫌悪したり避けていることは、心の中にある毒でしかありません。

それが正しいことだとしても、
マイナスな感情として持ち続けることは人生や心の状態に悪影響を及ぼします。


「なぜ自分にとって育った家庭が温かく居心地の良いものでないのか」
ということを改めて考えることは、
本当の意味で手放すために必要な過程なのです。

まずは、まだ大人になっていなかった自分にとって、
両親や養育者、育った環境がどのように良くなかったのかをそのまま認めましょう。

辛かったことや傷ついた経験を認めるワークの取り組み方

子どもの頃に辛かったことや傷ついた経験を、思うままに書き出していきます。

18歳以下から何かしらの問題が続いていたのであれば、20歳以上になってからの経験も書いてください。

  • 子どもの頃に戻って感情を吐き出せるような安心できる場所で
  • 一人で静かに、関係のないものは取りはらって
  • できれば手書き、苦手な方はなれているデバイスで
  • 光景やエピソードをはっきりと思い出しながら
  • 感情を中心に

ステップ2 親の代わりに自分で自分のためにする習慣

書き出した出来事を見つめなおし、
自分に足りていなかったものや、そのときに親にしてほしかったことを考えましょう。


傷ついたことや苦しかったことは自分のせいではないのですが、
いまさら自分以外の人によって変えることはできません。

自分が自分の親だったら何をするかを考えて、今自分で埋めることをしてみましょう。


頑張っても親が認めてくれなかった→自分の頑張っていることや功績を認める

批判ばかりされ、責められたりした→自分を責めず、批判せずに褒めて励ます

話を聴いてくれなかった→思いのままに自分の感情を吐き出す日記をつける

「自分が代わりにするのでは意味がない」と思うこともたくさん出てくるとは思いますが、
自分でできるようになることが重要です。

適切でよい関わりを持つ親子関係では、
親がしてくれたことは、自然と自分でできることに繋がっているからです。


親に認められた子は、自然と自分のことを認めていますし、
子どもの頃から夢や希望を親がサポートしてくれた子は、自然と自分の夢や希望を叶えるために動くことができます。

親がしてくれなかったために、自分でできる能力が育たなかったのです。


難しいかもしれませんが、
自分ひとりでそこを育てていくことが改善のプロセスになります。

なにより、自分で改善するということは、大きな力になります。

自分で解決することができるという自信に繋がるため、
さらに良い状態へ向かうための動力に繋がっていくでしょう。

子どもの頃に必要だったものを自分で埋めるワークの取り組み方

取り組み方はさまざまで、自分にとってやりやすい方法で自分なりに取り組むことが必要です。

上手くできないという方のために、少しだけヒントがあります。

小さなことから始める

これならできるかも…と思えるような、
とても小さなステップで良いので取り組みます。

それが成功することによって出来る自信が育つので、
次のステップに進む力が付きます。

一つできたらまた実現できそうなステップを設定します。

小さなステップならくじけても大きなショックには繋がりにくく、
取り組むことにもそれほど努力が必要ありません。


自分を認めるなら
→部屋の掃除やいつもより5分早く起きるなどの課題を設定し、できたら小さなご褒美を用意する

好きなことやしたいことを探すなら
→お昼ご飯をコンビニでなんでも好きなものにする。500円でなんでも好きなものを買ってみる

決断力がほしいなら
→3日間取り組むトレーニングや日記を書くなどの課題を一つ設定してみる。

幼い頃の自分をイメージする

落ち込んだり自分を責めたり、不安になったりするなどマイナスのイメージが湧いてきてしまったとき、
目を閉じて傷ついた幼い自分の姿をイメージします。

自分にとって欲しかった理想の親になったつもりで、
幼い自分を励ましたり、慰めたりしてあげてください。


この方法は、気分が乗らない人には向きませんが、本気で取り組むことができる人には効果が高いです。

自分に足りないものを ペットや子ども、身近な人に与える

親からの愛情や思いやりが足りなかった人は、
自分に対して愛情や思いやりを持とうとしても上手くできないかもしれません。

ところが、他の人に対して愛情や思いやりを求めることは、
アダルトチルドレンの問題を抱えた人にとっては上手にできないことも。

間違ったアプローチをしてしまったり、良くない相手に求めてしまったりして、
回復に繋がることは稀です。


自分に対する取り組みをしながら、
ペットや子ども、身近な人に対して同じように「愛情を注ぐ」「思いやりを持つ」「話を聴く」などの取り組みをしましょう。


脳科学では、他者への態度は自分に対する態度と鏡のようになっていて、繋がっているといわれます。

求めるのではなく与えることの方が、
自分にとって足りないものを補充することに繋がるのです。

まずは自分を大切にし、思いやりを持つことから

アダルトチルドレンにとっては、親や過去の経験が問題であり、
いまさら自分自身でどうにかできるかどうかという疑問がわくこともあるでしょう。

自分自身で回復していくのは簡単ではありませんが、自分の人生はかえていくことができるものです。

まずは自分自身を大切にし、思いやりをもって無理なく取り組んでいくことを大切にしましょう。

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