メンヘラ?境界性人格障害の特徴をもつ人の対人関係の問題を理解する!

ネットスラングとしてのメンヘラという言葉には様々な意味がありますが、
対人関係については主に境界性人格障害の特徴を持った人に対して使われていることが多いです。

人間関係において依存的で、すぐに精神状態が危うくなってしまうような人たちが広い意味でメンヘラと言われるようです。

それに対して境界性人格障害にはもう少し明確な特徴があります。

境界性人格障害の人もメンヘラと言われるような人も、大抵は人間関係が安定せず、付き合い続けようと努力した人もいずれは疲弊して離れていってしまうことが多いです。

境界性人格障害の特徴をポイントに、精神的に不安定で人を振り回してしまいがちな人との向き合い方を考えてみましょう。


※メンヘラという言葉について、境界性人格障害の人や精神疾患を抱えている人を侮辱するような意味では使用しておりません。境界性人格障害を知らない方にもニュアンスが伝わるよう、ネットスラングを使用させていただきました。

目次

  1. 境界性人格障害を持つ人の対人関係
  2. 境界性人格の人と関わると何故辛くなる・疲れてしまうのか
    1. 愛情や信頼が積みあがっていかない
    2. 見捨てられることへの不安が強すぎる
    3. 気分も考えも関係も不安定
    4. 相手の問題ばかりに目を向けない

境界性人格障害を持つ人の対人関係

境界性人格障害の特徴を、対人関係に焦点をあてて説明するとこのような特徴があります。

  • 感情の起伏が激しく、簡単に気分や気持ちが大きく変わる
  • 強い見捨てられ不安により、見捨てられない為に必死になる。見捨てられるかどうかを試す行動が目立つ
  • 白か黒かの極端な見方をし、理想化とこき下ろしを繰り返す場合もある
  • 依存的で、嫉妬心や独占欲が異常に強い
  • 衝動的な行動や、自暴自棄な行動が目立つ
  • これらの特徴により信用できない言動や行動をすることがある

人格障害は確定診断が難しく、人生や生活上に著しく支障が生じるような状態の場合に「〇〇人格障害」といわれるので、
これらの特徴に当てはまるなら境界性人格障害だというようには言えません。

医学的な分類も治療することができる病気なのかがまだハッキリしておらず、
「境界性人格障害は診られない」と言われることもあるのだとか。


治る病気で治療をしていればそれを支えることもできますが、
身近に関わる人が境界性人格障害の特徴を持っていた場合はどうすれば良いのでしょうか?

※上記の理由から、ここでは境界性人格障害ではなく境界性人格障害のような特徴を持つ人について解説し、「境界性人格の人」と呼ばせていただきます。

境界性人格の人と関わると何故辛くなる・疲れてしまうのか

境界性人格の人は、もちろん魅力が無いというわけではなく、人に迷惑なことをしているわけでもありません。

身近な人や出会った人と深く関わるようになってから、
境界性人格からくる行動や言動があらわれて「何かがおかしい」と思い始めるということもよくあります。

では、境界性人格障害の特徴についてネット上で「メンヘラとは関わるな」「自分が潰される」と多くの書き込みがあるのはなぜなのでしょうか。

愛情や信頼が積みあがっていかない

いくら愛情や信頼を注いでも、境界性人格の人は「底のないコップ」とも言われ、
関係性を育てていくことがなかなかできません。

注いだ側の人からすればいくら努力をしても何も意味がなくなってしまう「底のないコップ」ですが、
本人の感覚としては少し違っています。

境界性人格の人は自覚しているかどうかに関わらず、
根本に「人は信頼できない」「愛情なんて簡単に消える」という感覚を根強く持っているのです。

境界性人格は、幼少期に親の愛情を十分に受けられなかった人や、不安定な養育者に育てられた人、養育者との離別を経験した人に多いといわれます。

初めての人間関係である養育者(親)との関係は、
常に愛情を注いでくれる存在に守り育てられることによって、根本的な安心感を得て愛情と信頼をおぼえる基礎となります。

境界性人格の人は、むしろ愛情の不安定さや守ってくれる存在のいない不安感、
大切な存在が簡単に離れていってしまうことなどを学んでしまったような状態なのかもしれません。


その感覚は本人の考えではなく人格の基礎となっているものなので、
関わる相手の行動や関係性によって簡単に変わることはありません。

「底のないコップ」というよりは、
不安感や不信感が「頑固な汚れ」のように取れない形で沁みついているのです。

見捨てられることへの不安が強すぎる


境界性人格の人は「どうせ見捨てられるに違いない」と根本的に思っているのですが、
同時に愛情に飢えているので、あらゆる手を使って相手が自分のことを見捨てないようにします。

束縛や支配、気を引くための自傷行為や問題行動、見捨てられないか試すためにわざと酷いことをするなど、
ときにそのレベルが常軌を逸してしまいます。

境界性人格の人は相手にとっては何気ない言動や場面でも「見捨てられる」と感じ、
その不安や絶望感があまりにも大きいので、その苦悩から逃れるための行動が周囲には過剰に見えるのです。


対象となった相手は、「それはおかしい」と思うようなことでも、
境界性人格の人が自分への強い気持ちの結果そのようなことをするのだと感じたり、
見捨てたら可哀そうだという気持ちになったりして、振り回されてしまいます。

愛情に飢えていることや強い不安が伝わるということもあり、本人が一番辛そうだから、振り回されてしまうのかもしれません。

気分も考えも関係も不安定

境界性人格の人は根本的な安心感や信頼感がないために、見捨てられ不安とは関係のない場面でも些細なことで感情が大きく動きやすいことがあります。

周囲の人の態度を過敏に感じ取って不安になったり、小さなことでも怒りが爆発したりします。

周囲の人にとっては理解しづらいことが多く、いつ気分が変わるかとビクビクして接するようになったり、機嫌を取ろうと必死になったりしがちです。


また、境界性人格の人は「自分はこういう人間だ」という感覚(アイデンティティ)がしっかりしていない場合が多いです。

大きな理由がなくても突然気が変わったり、考えを変えたりします。


対人関係においてもバランスが取れた考え方ができず、「自分を裏切る・見捨てる人」と「素晴らしい人」のどちらかでしか人を見ることができないような傾向がある場合もあります。

(人には良い面と悪い面があり、それでも愛してくれる人がいるのだということがわからないことによるのでしょう。)


圧倒的な好意を寄せていた相手に対しても、些細なことで突然裏切られたと罵ったり、突然縁を切ったり、徹底的に嫌ったりします。

突き放しておきながら不意に戻ってきたりすることもあります。

そのような場合には関わる人は、とても好かれ求められる状態から突然否定・拒絶されることの繰り返しによって疲弊してしまうのです。

相手の問題ばかりに目を向けない

境界性人格障害の特徴を持った人は、気付かれないような人から日常生活に影響を及ぼす人まで多くいます。

自分が関わっている相手が境界性人格障害なのか?ということは、関係を築く上においてはそれほど重要なことではありません。

問題を抱えた人だというように見るのではなく、
その人そのものを見て理解することが大切です。


問題ばかりに目を向けて関わることは、
「助けたい」という過剰な踏み込みになったり、相手の本当の気持ちに気付きにくくなったり、気付かぬうちに上から目線で関わってしまったりする原因になってしまいます。

境界性人格の特徴について知ることは、相手を理解することの手がかりにはなりますが、過剰に当てはめようとしないように気をつけましょう。


身近な人に振り回されて困っている人は、自分自身が人に振り回されやすい特徴を持っていないかどうかも顧みる必要があります。

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