アダルトチルドレンからの回復③―親との関わりを精神面から変える―
アダルトチルドレンから回復するのに最も効果が大きいのは、
親との関わり方を変えることです。
表面上は同じようでも、精神面での関わり方を変えるだけでも効果があります。
親との関係は人生の中で最初の人間関係なので、
意識していなくてもその後の人間関係や自己像に大きく関わっています。
一度客観的に見て、関わり方を変えることで、他の人間関係にも良い変化が出てくるかもしれません。
現在の関係によって方向性が変わってくるため、自分に当てはまると思う項目に取りくんでみてください。
目次
愛情や関心を求める気持ちを親にぶつけない
愛情が足りない親や、関心がない親だと、子どもは一生足りなかったものを求め続けることになります。
自覚がない場合や認めたくない場合は、
逆に親が嫌がる行動をしたり、無意識に褒められるための行動を繰り返すなど、
無意味な行動を繰り返しているかも。
そしてどこかで「自分が改善すれば」「自分がもっと良い子になったら」と思っているところがあることがあります。
たとえうまくいって愛情や関心を得られたとしても、
自分が努力した結果なので、自分の失敗や不足でいつ失われるかと不安になってしまいます。
欲しいものを欲しくなくなることはできないので、
気持ちはそのまま自分のなかで受け止めます。
ただ親にぶつけないようにすることを心掛けましょう。
一度立ち止まって自覚することで、
欲しいものが得られない怒りや悲しみによる言動、行動を抑えることができるようになると良いです。
親と関わるときに、常に頭のなかで「自分はなにかを求めていないか?」と自問してみてください。
[balloonNG]予定や行事のとき、親が自分の都合を無視し、あわせてくれない[/balloonNG]
[balloonUP]思いやりや尊重されることを求めず、自分の都合は変えられないことのみをはっきりと伝える[/balloonUP]
[balloonNG]親が自分の仕事や生活のことを批判し口を出してくる[/balloonNG]
[balloonUP]認xめられたい気持ちを出さず、自分のことは自分で決めることだけを貫く[/balloonUP]
求めることによって生じている怒りやこじれた関係は、親にとってはなにが問題なのか全く理解できていないことがほとんどです。
求めることをやめることで、そのすれ違いを解消することができます。
また、こちらから求めることをやめることで、
むしろ親の方から求めるようになるという変化があることもあります。
正面から向き合うこと・受け止めることをやめる
アダルトチルドレンは「いい子」でいることに慣れていたり、不安定だったり繊細だったりするため、
親に対してまじめに正面から向き合って、深く受け止めてしまう傾向があります。
通常であれば「めんどくさいなぁ」と適当にあしらったり、親の言うことなんてすぐに忘れてしまうような場面でも、
逃れられないために疲れてしまいます。
意識してゆるく構えることを覚えるともっと楽になるかもしれません。
[balloonSomeone]親からの愚痴や相談、頼み事の負担[/balloonSomeone]
[balloonOK]余裕のあるときだけ聞くようにする。具体的になにか頼まれたときに無理のない範囲で応じる。[/balloonOK]
[balloonSomeone]仕事や生活に対する親からの期待や批判[/balloonSomeone]
[balloonOK]単なる世間話の一種でもあるので受け流す。安心させるようなことを適当にいう。[/balloonOK]
[balloonSomeone]親からの怒りや失望[/balloonSomeone]
[balloonOK]親自身の問題として放っておく。しばらくすれば治まるかもしれないと思う。[/balloonOK]
どんな親でも子どもに対しては距離が近いので、
どこか甘えやいい加減なところがあるものです。
通常の関係では躊躇するような傷付ける言葉や批判を平気で言うこともありますが、
それは気持ちが強いからではなく、遠慮がないからです。
八つ当たりのようなことを平気でしていたり、
単に子どもとのコミュニケーションのために心ない言葉をいったりします。
こちらが適当に受け流すことで、親の方も楽になることも少なくないのです。
一旦置いておいて先延ばしにする習慣をつける
子どもの頃の親子の関係がどんなことでも遠慮なく言うことができるような場合は、大人になってから関係がこじれやすいです。
大人になって離れてからも、話すときは子どもの頃と同じような距離感で接してしまいがちなためです。
喧嘩や言い合いをしたとき、
子どもの頃なら食事時や生活の中で会話をすることになり、常に関わりがあるので少しずつ修復できたり、
さらに話し合うということができます。
離れているのに子どもの頃のように関わっていると、
関わる時間が限られているために怒りを長くため込んだり、言われたことをずっと引きずったりして、
余計にこじれてしまうのです。
さらに「今全部言っておかなくちゃ」という気持ちにもなりやすくなり、
お互いしつこく余計なことまで言ってしまいます。
しっかり考えてから話し合った方がよいことも感情のままに言ってしまうことがあります。
子どもの頃とはペースが変わったのだということを理解し、
意識してペースを落とすことが必要です。
- 何かいわれたらすぐに答えを考えずに「考えておく」と言うようにする
- 非難や文句などのマイナスなことは一度の会話でひとつのポイントまでにする
- 良くない会話のあと、そのことについて考えないようにして、「次に話すときに考える」と心掛ける
- 最後の会話でなにかすれ違いがあっても「時間がたてば考えが変わるかもしれない」とゆるく考えるようにする
自分の権利をはっきりと伝える
過保護な親や支配的な親、子どもに頼る親などは、
子どもを人として尊重しておらず、一線を引くことができずに子どもの権利を侵害します。
普段の生活では意識しないことですが、
相手が親であっても人には自分のことを自分で決めて自由に生きる権利があります。
親が自分を思い通りにしようとしていると感じたときは、
わかりやすくはっきりと自分の権利を主張するべきです。
- 子どものことに口を出したり勝手に決めたりする
- それは自分で決めることだから
- 家に押しかけたり、子どもの周囲の人と無断で関わる
- 親でも自分の生活に押し入る権利はない
- 子どもを批判したり過剰な文句を言ったりする
- 親でも言ってはいけないことがある
- 子どもの助けや関わりを過剰に求める
- 自分には自分の人生があるから
親にとっては子どもはいつまでも子どもとよく言われます。
子どもの頃に生活のすべてを握っていた感覚をそのままに、大人になった子どもの権利を侵害していることがあるのです。
一線を越えているという自覚がないことが多いので、
はっきりと一人の大人としての権利を主張するだけでも、変わるかもしれません。
子どもの方も、親だから仕方ないという気持ちや罪悪感から、
すっかり権利の侵害を許してしまっていることも多いです。
親の干渉に対して、疎ましい気持ちでただ我慢したり反発したりするよりも、はっきりと権利を主張しましょう。
一度距離をとり、自分を立て直す
親と関わるたびに疲れてしまう、気分が暗くなるという方は、一旦親との距離をとることを考えた方が良いでしょう。
親子とはいえ人と人との関係なので、相性が悪いということもありえます。
価値観や考え方も違うので、どうしても分かり合えない部分も出てきます。
諦めることは難しいので、諦めようと思う必要はありません。
自分がしっかり幸せになり、余裕ができてから理想の状態になろうと思うことが必要です。
現在どのように関わっているかによって距離の取り方も変わってきますが、自分にとって苦痛がないと思うところまでこちらからしっかり距離をとりましょう。
生活や恒例行事などでやむを得ず関わりがあるような場合でも、思い切って引っ越す、理由をつけて参加をやめるなどして断ち切った方がよいこともあります。
元々、子どもを育てて幸せな人生に送り出す役割をもっているのが親です。
自分を大切にすることが親に対しても正しいことになります。
親がどのように振舞っていたとしても、自分を一番に優先して自己中心的になりましょう。
アダルトチルドレンからの回復は成長である
アダルトチルドレンは、病気とは違い回復することが通常の状態に戻ることではありません。
元々子どもの成長や家庭環境に正解などありません。
ほころびを直していくことは、常により良い自分になっていくことであり、成長なのです。
今の状態を欠陥だとマイナスに捉えることなく、成長していくために余裕のある範囲で、自分のペースで取り組んでいきましょう。
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