ポジティブになれないのは何故?本当のポジティブ・ネガティブの意味を知る

自己啓発や成功する方法の世界では、ポジティブになることがまず第一に必要といわれ、
ポジティブ信仰ともいわれるポジティブブームが起こっています。

「ポジティブになればすべてうまくいく」などと言われることも多いですが、

じゃあ自分はネガティブで変われないから上手くいかないのか…

というとそんなことはありません。

本当の意味のポジティブを知れば、自分のネガティブの理由もわかってきます。

ネガティブで生きづらい人も、
自分のネガティブ思考について理解を深めればポジティブになるための手がかりが見つかるかも!

目次

  1. ポジティブ思考と楽観主義の勘違い
  2. ポジティブとネガティブでは「積極性=行動するかどうか」の前提が違う
  3. ネガティブには環境・成育歴・経験・精神状態が関わっている
  4. ポジティブになることは、行動するためのエネルギーと勇気を起こすこと
  5. 実際に行動できる思考になるためには自己肯定感や自己効力感が必要
  6. ネガティブ思考には原因があるが、コツを掴めむだけで脱出できることも

ポジティブ思考と楽観主義の勘違い

ものごとの良い面を見るか、悪い面を見るかということで言えば、「プラス思考・マイナス思考」という言葉がよく使われますね。

「ポジティブ思考・ネガティブ思考」は同じような意味なのでしょうか?

ポジティブ=良い方に考える

ネガティブ=悪い方に考える

というような認識がされていることも多いですが、本来の意味とは少し違っています。

ポジティブ=積極的なさま。肯定的なさま。

ネガティブ=消極的なさま。否定的なさま


出典 精選版 日本国語大辞典 精選版 日本国語大辞典について

「プラス思考・マイナス思考」のようにものごとのどんな面を見ているかに関する言葉ではなく、「ポジティブ思考・プラス思考」は積極性が関係している言葉なんですね。

ポジティブを推している大抵の本や説では、
心理学や社会学などでの研究で「ポジティブな人の方が〇〇が高かった」などとされていることを根拠にしています。

その研究でポジティブとされている結果は「積極的で肯定的な人」のことです。

それをまるで「物事を良い方に受け取った人」であるかのように理論を展開してはまったくの間違い。

単に良い方に受け取るのは楽観的と言います。

楽観的=物事をうまくゆくものと考えて心配しないさま。


出典 小学館 デジタル大辞泉について

楽観的だと、
反省したほうがよいことでも反省しなかったり、注意しなければならないことも心配せずに行動してしまうなど、
よくない結果に繋がることもあります。

様々な面で良いとされているポジティブ思考は楽観的になることではないのです。

ポジティブとネガティブでは「積極性=行動するかどうか」の前提が違う


よくある例え話に「水が半分入っているグラスをどう捉えるか」という問題がありますが、そのグラスが何かによって答えは変わります。

居酒屋での飲み会の際、他の人が注文をするときにあなたは自分のグラスを見ました。

半分しかないから今のうちにお代わりを頼もう。

半分もあるからまあいいや。

どちらがポジティブ思考でしょうか?


本来の意味でのポジティブ思考・ネガティブ思考には、行動がセットになっています。

状況のなかで自分がする行動を先に考えてから、グラスを見るのがポジティブな人。

つまり行動することを前提として、いつ行動するべきかを決めるためにグラスを見ます。


グラスを見てから、自分が行動するかどうかを決めるのがネガティブな人。

行動しようという積極さはなく、状態によって行動するかしないかが左右されます。


このグラスの例では、行動するかどうかはさして重要なことでもありませんが、
人生上の様々な行動においては「ポジティブかネガティブか」による違いは大きくなります。


ポジティブな人は行動することを先に考えながら状況を見るため、
自分にとって有利なことや有益なことを見つけやすくなります。

ネガティブな人は「行動しようかな?」という迷いが前提なので、
状況から不安な要素や行動をためらうようなことを見つけやすくなります。

ポジティブ思考
行動するためにものごとから活かせる部分を見いだして積極的に行動するさま。
行動するために良い面を見る。
ネガティブ思考
判断するためにものごとを見て、活かせる部分を見いだせず積極的に行動できないでいるさま。
良い面が見えないから行動しない。

一般的に言われるようなポジティブと近くなるように説明すると、
物事に対して自分が前向きになれる捉え方をすることがポジティブだと言えるでしょう。

ネガティブには環境・成育歴・経験・精神状態が関わっている

ネガティブな見方・考え方をする人には、その根拠があります。

過去にうまくいかなかったり、失敗や挫折をした経験があり、
そのことから判断しているために、否定的で消極的になります。

行動する前に用心しなくては

不安要素は見つけておかなければ

そんな思いが念頭にあるため、ネガティブな見方をします。

人は誰でも自分の知識と経験からものごとを判断するので、
ネガティブな人にとってのネガティブな見方や考え方は正しいのです。

自分が正しいと思っていることを否定して無理やり良い方向に考えることはできないため、
ネガティブな人がポジティブになることは難しいのです。


また、ネガティブは伝染しやすいと言われます。

自分では自信をもっていたことでも、
他の人に否定されたり、悪いところを指摘されたら自信がなくなってしまった経験は誰にでもあるでしょう。

ましてやまだ価値観ができていない子どもの頃にネガティブな親に育てられ、そのようなことを繰り返していると、
根本的なネガティブが根付いてしまいます。

そのため、否定的で批判的な親に育てられた子はネガティブになってしまう可能性が高いです。


さらに成長過程で影響してくることはもう一つあります。

心理学者のアドラーによると、
「世界がどんな場所であるか」「人は信用できるか」といった、人が安心して行動できるようになるための感覚は、
幼いころの家庭環境からつくられるといいます。

親がネガティブだったからうつったというだけのことではなく、
家庭環境のなかで安心できないと、不安や警戒心が強くなるためネガティブになってしまうこともあるのです。


育つ過程でネガティブを獲得してしまった人も、自分の経験からネガティブになってしまっている人も、
共通して言えるのは、多かれ少なかれ自分の考えは正しいと思っていることです。

もしそうではなく、

合理的でないことはわかっているのだけれど、どうしても消極的な考えが拭えない

という人は、見方や考え方の問題ではなく精神状態が悪くなっている可能性が高いです。

精神的なエネルギーが低下していると、
どんなに頭では良い方向に考えようとしても、否定的で消極的になってしまいます。


いずれにしても、無理にポジティブになることはできません。

ポジティブになることは、行動するためのエネルギーと勇気を起こすこと

「ポジティブになれば成功する」といわれると、考え方を変えればいいだけなのでなんだか簡単なような気がして、
努力はしなくても成功できるかのように見えます。

ところが、ポジティブ思考自体が結果的に「積極的に行動すること」を前提とした考え方なので、
ポジティブになれば成功すると説くのは当たり前です。


ポジティブになれば行動できるのではなく、
行動するためのエネルギーと根拠がなければそもそもポジティブになることができません。

「積極的な行動ができない」「行動しても無駄だ」「どうせ上手くいかない」と考えているため、
積極的な行動に繋がるようなポジティブな考え方ができないのです。


ポジティブでなければ行動ができず、行動できないとポジティブになれないとしたら、
一体どこを変えればよいのでしょうか?

実際に行動できる思考になるためには自己肯定感や自己効力感が必要

ポジティブになる=実際に行動できる人になることとも言えます。

結果が必ずうまくいくとは限らないのに、それでも可能性を信じて行動ができる人は、そのための根本的な安心感があるのです。


行動ができる人は、まず失敗したとしてもそんな自分を受け入れることが出来ます。

これがありのままの自分を認め、大切にすることができる感覚であり、自己肯定感です。

ネガティブな人というのは、実際に状況的に上手くいきそうかどうかの見込みが悪いわけではありません。

上手くいかなかったときに耐えられないために、少しでも上手くいかない可能性があるなら挑戦しない

このような不安が背景にある場合が多いのです。


失敗する自分を認められなかったり、人がどう思うかを気にしていたり、失敗したときに落ち込むことをひどく恐れていたりします。

心当たりがある人は、
ポジティブになる方法を考える前に、自己肯定感について考えてみてはいかがでしょうか。


また、ポジティブな人というのは、
根拠とは関係なく自分が行動したら何か良い結果があるという感覚を持っています。

これは自己効力感といって、
すべての物事に関する可能性を信じるための基盤になります。

特定のことに関して自分の能力を信じる自信とは違い、自己効力感は何に対しても全般的に「行動できる」「実行できる」と感じる基礎の感覚のことです。


ネガティブになって行動できないとき、自分がそのことに対して「上手くできない」という考えについて、
明白で論理的な根拠がない場合は、自己効力感が低い可能性が高いです。

どうせ上手くいかない

自分に出来るわけがない

こんな風に思ってしまいがちな人は、自己効力感を高める方法について考えましょう。

ネガティブ思考には原因があるが、コツを掴めむだけで脱出できることも

ネガティブ思考には根深い原因があるということをこの記事では紹介していきました。

環境、成育歴、経験、精神状態、自己肯定感、自己効力感……

なかなか改善することが難しい要素が多く、今更ポジティブ思考になれないのでは?と思ってしまった方もいるかもしれません。


でもそれは間違いで、根本的に変えることが出来なくても「思考の癖」というのは変えることができます。

ネガティブ思考になっている原因に対応して、思考をコントロールするための方法も考えることができます。


まずは自分のネガティブの正体を知ることで、どのような工夫をすれば良いかの手がかりになるのです。

具体的な「打倒ネガティブ」方法については別記事で解説します!

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